陽子のスピンの構造をさぐる
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概要
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陽子は素粒子ではなくクォークとグルーオンから構成されていることがわかっているが, それでは陽子のスピン1/2はどのようにしてつくられているのだろうか? 高エネルギー偏極ミューオンないし電子ビームの偏極陽子標的による散乱実験では, クォークのスピンが陽子のスピンにどのように寄与しているかを測ることができる. European Muon Collaboration (EMC) の実験結果は, 単純なクォーク模型の予想に反して, クォーク・スピンの陽子スピンに対する寄与はごくわずかであることを示唆している. ミューオンおよび電子ビームによる偏極実験の概要と要しスピンの謎について解説する.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 1992-06-05