低エネルギー反陽子実験の最近の発展 : LEARにおける実験を中心として
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概要
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反粒子と粒子の間には基本的な対称性があるので, 反粒子を研究することによって, 我々の世界を構成する粒子を普段とは違った角度から調べることができる. 更に, 反粒子と粒子の間の相互作用には粒子間の相互作用にはない対消滅の現象があるので, 相互作用を総合的に理解するために重要である. 過去30年余りの間, 反陽子ビームを用いた実験は素粒子・原子核等の広範な分野で行なわれてきた. 1983年にはLEAR(低エネルギー反陽子リング)が運転を開始し, 低エネルギーの反陽子ビームの性能が格段によくなった. 急速に進展しつつある低エネルギー反陽子実験の現状を紹介する.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 1988-04-05