半導体中の帯間オージェ過程
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概要
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半導体中のオージェ過程は, 過剰電子の非発光再結合の原因の一つであって, 高濃度の電子や正孔が存在する良質の結晶中において重要になる. オージェ過程は, 散乱理論と帯構造理論の検証の揚を提供するものとして, 興味があるばかりでなく, 発光・受光デバイスの特性向上の障害にもなるので, 工業技術のテーマとしても重要である. かなりの間, オージェ過程の研究は, 純粋衝突過程の理論に基づいていたので, 実験結果の正確な理解が得られなかった. 近年, フォノンや不純物による散乱を考慮する強カな理論が作られるに至り, 理論と実験の一致はよくなった. しかし, この発展はごく最近に限られ, また, 相互作用ポテンシャルの遮蔽の取扱い方について研究者の間に混乱があったために, デバイス面での理論の応用は十分になされていない. この解説では, 理論の詳述から始めて, オージェ過程の実験と応用面での役割にも言及する.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 1982-11-05