低エネルギー電子による結晶表面の研究
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概要
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結晶の表面層に関係のある物理, 化学現象は少なくないが, 取り扱いのむずかしさからいずれも現象論的記述になりがちである. 10eV〜1000eVのエネルギーの電子線の結晶による散乱, 回折現象研究の最近の発展は, 低エネルギー電子の散乱が結晶表面の数原子層で起こることを示している, これは入射電子と結晶との間のクーロン相互作用が大きいので, 低工卑ルギー電子の散乱現象が結晶表面層でのみ起こることによっている. この解説では低エネルギー電子回折の基礎的問題と同方法による結晶表面研究の現状を述べ, さらに散乱電子のエネルギー分布の測定から結晶表面層の元素分布同定, 化学結合状態を推定するオージエ電子分析法を紹介する. またこの分野の今後の研究方向に関する考察を適宜つけ加えた.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 1971-05-05