持続性筋牧縮の調整機構 : 発射間隔法による

元データ 1979-06-01

概要

肘関節角度を直角に保ち,手首に1kgの錘を負荷した時の上腕二頭筋におけるMUの発射間隔および表面筋電図振幅の変化を経時的に観察した。また,阻血が母指内輪筋におけるMUの発射間隔の推移におよぼす影響も合わせて観察し,持続性筋収縮の調整機構を明らかにしようとした。被検者は健康な成人男子2名であった。MUの発射間隔は,エレクトロタコグラフを用いることによって縦軸に直言己できるようにした。その結果,以下のことが明らかとなった。1.持続性筋収縮時におけるMUの発射間隔の変動過程は,次の3種の型に分類された。第1の型は,比較的短時間のうちに発射間隔が延長し,放電休止に至るものである。第2の型は,比較的長時間安定した発射を示すが,発射間隔は僅かずつではあるが延長し,ついには放電休止に至るものである。第3の型は,錘を負荷してから比較的長い時間が経過しているにもかかわらず,安定した発射を示すものである。2.長時間スパイクを記録していると,MUの放電休止がしばしば観察され,弱い収縮においてはMUの交代性発射(rotational activity)の存在することが示唆された。3.一定重量の錘を長時間保持した際には,表面筋電図の振幅は漸増傾向を示した。4.上腕部を約200mmHgの圧で圧迫すると,母指内転筋のMUの発射間隔はしだいに延長し,かつ,不規則な変動が増加した。加圧を解除すると,しだいに発射間隔の斉一性が増した。5、一定重量の錘を持っている時の前腕屈筋における表面筋電図積分値は,阻血によって漸増の傾向を示した。6.一定重量の錘を長時間保持している時にみられる表面筋電図振幅の増加は,この時発射間隔が短縮していないことから考えて,活動に参加するMUの数の増加によるものと推定された。7.発射間隔の延長ないし不規則性変動の増加は,求心性インパルスの減少による中枢神経系における筋力調節の不調によるものと考えられた。

著者

山本 高司 中京大学体育学部
山本 高司 中京大学大学院体育学研究科運動生理学研究室
山本 高司 中京大学体育学研究科
山本 高司 中京大 体育

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