骨格筋線維の発達に関する組織学的研究
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概要
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同腹の Wistar系ラットについて、生後1日、5日、10日、25日および70日の間隔で M.tibialis ant. の赤筋繊維、白筋繊維の分化と発達過程を性別に検討した結果,次のょうな成績を得た。1)体重の性差は,生後15日頃からあらわれる。2)M.tibialis ant.にみられる赤筋線維,白筋線椎の分化は,生後15日頃からみとめられ,以後次第に著明になる。3)M.tibialis ant.の全横断面積は,発育に伴って増大するが,生後20日頃までに,雌雄間に明らかな差はみられない。しかし,生後70日になると,雄は雌の約1.5倍である。4)M.tibialis ant.の全筋線維数は,生後10日で,すでに乎均13,700本を示し,それ以後,数の増加はみとめられない。また,性差もみられない。5)筋線維1本当りの全横面積及び直径は,生後,次第に増大する。生後25日までは,赤筋線維,白筋線維とも,横断面積には性差がみられないが,70日では,赤筋線維て,雄は雌の1.2倍,自筋線維のそれは1.4倍と性差が著明になる。また,自筋練維の肥大率が,赤筋線椎のそれに比ぺて,雌雄共に大きい。6)M.tibialis ant.の筋線維の全横断面積と綱胞間際の面積比は,生後次第に大きくなるが,25日頃まで性差はみとめられない。7)M.tibialis ant.しの筋線維の大きさを,表層部と深層部で比較するど,生後15日頃まで差はみられないが,70日では,表層部の赤筋線維,白筋線維とも,深層部のそれらより大きく,それぞれし4倍,1.3倍である。
- 日本体力医学会の論文
- 1967-06-01
著者
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