分類行動の発達的研究I
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概要
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いくつかの次元(属性)を持った事例をいくつかの結合的カテゴリーに分ける分類基準を被験者がいくつ挙げることができるか,また,その列挙に変化次元数・値の数・関与次元数・不適切次元の有無・事例数・知覚的援助の程度がいかに影響するかを調べ,それにより分類行動の発達を考える。 実験はIとIIが行なわれ,どちらも個々面接法で,各学年15∼20名に行なわれた。 実験Iは,小学1年生・3年生・5年生・中学1年生に,形・高さ・色・傾きの4次元,および,形・高さ・色の3次元がそれぞれ2値をもつ積木を,2組・4組・8組に分ける課題を行なわせた。 実験IIでは,小学3年生・5年生・中学1年生・3年生の被験者に,1枚のカードに5個の図形,そのおのおのが2色の一方である,を並列的に並べたもの32枚を,2組・4組・8組に分類させた。 この2実験より明らかにされた点は, 1. 1つの次元を関与次元とする2分の分類基準を列挙することは,小学1年生と3年生の間に有意な差があった。 2. 関与次元数が2の4分は,小学1年生と3年生,3年生と5年生の間に有意差をもつ。 3. 関与次元数3の8分は,小学3年生と5年生,5年生と中学1年生の間で有意差があった。 また,変化次元数よりも,関与次元数の方が,分類のむずかしさに影響するらしいことも示唆された。
- 日本教育心理学会の論文
- 1967-06-30
著者
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