筋電図による知能検査解答中の内言の研究
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概要
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新訂京大NX15-知能検査に解答中の被験者(大学生・院生27名)の構音筋(舌・唇)の筋電図をとり各下位検査ごとで振幅と課題の特徴とを比較し,筋電図と内言活動が特殊的に対応していると結論づけられるかを検討した。その結果 1 言語的因子に負荷が高いとされている下位検査(言語性課題)の方が空間因子に負荷が高いとされる下位検査(空間性課題)より筋電図の振幅が高いという傾向はみられなかった。2 が,言語性課題のうち3つの下位検査で振幅の高い群の方が成績が良い結果を示した。逆に空間性課題のうち1つで振幅の低い群の方が成績が良い傾向が示唆された。3 上述の言語性課題での結果と筋電図の波形の考察から,筋電図は,従来暗黙のうちに前提とされていたような,個々の音素の内的構音との対応を示唆するようなものではなく,むしろ内言活動の高まりのレベルー般を表現するのではないかと考察された。4 呈示法の違いによる振幅変化も示唆された。 総じて結果は,外言とは違う内言独自の形態が予想されることを提起しつつ,構音筋筋電図が特殊的に内言を表現するという立場を支持するところとなった。
- 日本教育心理学会の論文
- 1981-06-30
著者
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