説得行動における非言語コミュニケーションの効果
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概要
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この実験は非言語コミュニケーションが,説得の効果にいかに影響するかを研究するために計画された。実験で取り扱われたそれらの非言語コミュニケーションは,目の凝視,姿勢,対人方向,対人距離であった。非言語コミュニケーションのそれぞれは2つの水準をもっていた。実験は16の条件からなり,説得者と被説得者はそれぞれ椅子にかけ,お互いに向きあっているという事態でなされた。 被験者は294人の男子の大学生で,そのうち6人は説得者,288人は被説得者であった。実験の条件ごとに18人の被説得者を割当てた。 説得コミュニケーションは説得者によって述べられた。その話題は「漫画の本を読むことは私達の人生において一層有益である。」ということであった。 非言語コミュニケーションでの説得効果は,被説得者の意見変化量で測定された。 主な結果は次の通りであった。 1. 説得事態で,説得者が被説得者の目を凝視をしている時には,対人方向0°の場合は,対人方向を右に45°の場合よりも説得に効果的である。 2. 説得事態で,説得者が被説得者の目の凝視をしていない時は,対人方向を右に45°の場合は,対人方向0°の場合よりも説得に効果的である。 説得者が,被説得者の目の凝視をし,前後姿勢,対人方向0°,近い対人距離の場合は,かなりの説得効果があるだろうという仮説は検証されなかったが,姿勢,対人距離も説得に効果があるだろうと考えられるので,今後も引き続きこうした面の追究をしていきたい。
- 日本教育心理学会の論文
- 1978-12-30
著者
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