社会的強化と親和感情 : 幼児の対人行動の研究(II)
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概要
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社会的強化の効果が,実験者への親和感情の有無によって影響されるものかを検討する為に,2種の実験が行なわれた。実験者への親和要因は実験者が被験者に対して親密な態度や関心をもつという操作によって得られた。実験Iは,実験者と被験者の2者関係の場で,被験者の作業行動に対して強化が与えられ,親和群と非親和群間で作業量に差があるか否かが検討された。その結果,実験者が親和的態度を示したP群の方が,否定的態度を示したN群,及びC群(統制群)のいずれよりも作業量が多いことが認められた。実験IIは,強化する行動を対人行動(協力的行動)に置きかえ,実験者と被験者及びその相手の3者関係の場で,実験者の親和的態度の効果を検討した。その結果,実験者が親穂的態度を示したP群は,C群に比べ,強化後において協力的行動をより多く示し,かつ強化前との差(増加)も大きいことが認められた。社会的強化と親和感情以上の2つの実験結果から社会的強化の効果は,実験者に対する親和感情の有無によって影響されることが証明された。しかも,その効果は,2者関係内で被験者の作業行動を促進させるのみではなく,協力的行動の形成においても効果をもち,3者関係場面でも作用することが認められた。
- 1972-12-31
著者
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