児童の社会測定的地位の安定性に関する研究 : 主として与えた選択の安定性について
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概要
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小学校2・4・6年生各4クラスを対象とし,1962年4月,同年9月および1963年2月の3回にわたり同一規準(そうじ)のソシオメトリック・テストを実施し,各児の与えた選択の安定性について,選択変化得点による期間(5ヵ月と10ヵ月),学年,性,選択順位別の分析を試みた。その結果を要約するとおよそ次のようである。(1)期間10ヵ月の選択変化得点の方が5ヵ月のそれより有意に高かった。(2)期間の増大にともなう選択変化得点の変動は学年によって異なり,6年がもっとも安定していた (3)学年の上昇につれて,選択変化得点は有意に減少することがみとめられた。(4)女子の選択変化得点は一貫して男子のそれより低かった。(5)学年の上昇にともなう選択変化得点の低下傾向には一部性差がみとめられた。(6)選択の順位が下降するにつれて選択変化得点の上昇する傾向がみとめられた。(7)選択の順位の下降にともなう選釈変化得点の上昇は学年によって異なり,性別もやや関与していることが示唆された。<付記>この研究は,昭和38年度文部省科学研究費によるものの一部である。この研究の資料の収集・整理に協力してくださった杉村健氏(奈良学芸大学),島崎寛氏(高田小学校)に厚く感謝の意を表したい。
- 1964-03-30
著者
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