学力の問題
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概要
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われわれは中学校1年から3年に適用する国語標準学力検査をA・B2種作成した。この検査は語彙(Vocabulary), 短文読解(Sentence reading), 長文読解(Paragraph reading), 文法(Language usage), 文学史(Subtests)から成り立っている。標準化の第1段階としてまず東京全都の7地区から公立中学校を1枚ずつサンプリングして本実験を行った。被験者はA形式1484名, B形式1478名で, それぞれ異る生徒を対象とした。実験結果についていろいろと統計的な検討を加えたところ, 極めて高い信頼性と妥当性とを有することがあきらかとなった。すなわち形式Aの検査を実施した3年生100名分についての折半法による信頼度係数は0.97(スピアマン・ブラウン公式による修正値)を示し, 学校における国語科の成績と本テスト得点との間の相関係数は0.70から0.88までの高い数値を得た。またA・B両形式の検査が最初の企画のごとく, ほぼ等価的にできあがったことも実証された。これらの結果から本検査は中画工生徒の国語学力の評価, 診断に有効に活用され得るものと考える。東京全都のサンプルの結果によれば, 地域による学力の差には著しいものがあるが, 男女の間には差がないことがあきらかになった。われわれは学力偏差値(Tスコア)による表示法を用いて規準を作成することとした。われわれはこれを第1段階として, さらに全国的な国語学力の規準設定に進みたいと考えている。
- 日本教育心理学会の論文
- 1953-05-05
著者
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