溝川におけるセスジユスリカ個体群の密度推定法について
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概要
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溝川におけるセスジユスリカの卵塊および幼虫の密度推定法を検討した.1.各令期において幼虫の空間分布は共通のkをもつ負の二項分布によく適合するが, 卵塊の分布は負の二項分布に適合しない場合もあるようである.以下の各項では, ここで求めたkの値を利用して密度推定上のいくつかの問題を検討した.2.雌成虫はこけにおおわれた部分を避けながら溝川の側壁に卵塊■を産みつける傾向がある.よって卵塊の密度をより効率よく推定するためには, こけにおおわれた部分を標本抽出の場から除くべきである.3.ふ化幼虫は水流の乱れによって川底にランダムに近い分布を強いられているが, 成長するにつれて偏りを生じるようである.よって幼虫の密度を推定するに当って川底を中央部と二つの周辺部の三層に層別するのが望ましい.4.4令幼虫の密度範囲を推定するために"切れた"ちく次抽出法の適用を試みた.5.個体群密度と標本単位の最適な大きさとの関係を考察した.
- 1969-02-01