Citri Unshiu Pericarpium prolongs mean residence time of guaiacol after oral administration of wood creosote pill to rats

概要

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4種の生薬(甘草,陳皮,黄柏,阿仙薬)を含む木クレオソート丸は,日本において食中毒,下痢の治療に用いられてきた。Guaiacoがその止瀉作用を担っていることはすでに明らかにされている。我々は木クレオソート丸に配合された生薬の薬剤学的役割を明らかにする研究に着手し,すでに陳皮(CUP2)がguaiacolの丸剤からの平均溶出時間(MDT)を遅延させることを報告した。今回,4生薬を含む木クレオソート丸(P4R)とCUP2を含まない丸剤(P4R-CUP2)をラットに経口投与しguaiacolの血中動態に及ぼすCUP2の影響を検討した。その結果,P4R投与群のguaiacolの平均滞留時間(MRT)はP4R-CUP2に比べて有意に長いことが明らかになった。両群の血中濃度時間曲線下面積(AYC_<0-5h>)には有意差が認められなかったので,guaiacolのMRTに対するCUP2の遅延効果は,平均溶出時間(MDT)の遅延によると考えられた。さらに,ひまし油で誘発した下痢病態においてもCUP2のMRT遅延効果が認められた。MRTとMDTの遅延は薬物の持続効果の指標となることから,CUP2は木クレオソート丸の止瀉効果を持続させると考えられる。このような研究は伝統的な生薬配合剤の配合意義を解明するととも,新たな配合剤を開発する指針になる。
2004-06-20