酸素電極法によるイネ個葉光合成能力の・遺伝分析
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概要
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著者らはこれまでに酸素電極法を用いた多点式酸素放出量測定装置を作出し,イネ葉身酸素放出量の測定方法を開発した.91品種の在来イネの酸素放出量を測定して個集光合成能力を調べたところ,大きな変異が存在することを認め,アジア栽培稲の中ではジャワ型品種群が酸素放出量が低いことを明らかにした.本報ではイネ個葉光合成能力の遺伝分析の結果を報告する.本実験においては,'葉身から放出される酸素量を個葉光合成能力とした.酸素放出量のスクリーニングの結・果から,高放出最現品種として中国の改良品種窄葉青8号および日本の改良品種十石,低放出量親として日本の在来品種I信州金子および中国の在来品種納西を選んだ.窄葉青8号×信州金子および十石×納西の2組の正逆組合せのF1植物と_1雑種集団を作出した.これらの材料を両親とともに圃場に栽培し,各組合せについてそれぞれ特定の一時期に酸素放出量を測定した.測定条件は温度25℃,照度7万ルックスとし.多点式測定・装置を用いて行った.いずれの組合せにおいても,F_1の酸素放出量は低放出量親の値に近かった.また,F_2雑種集団の酸素放出最は両親の値より超越した分離を示し,その分布は正規分布に似ていた.これは,用いたF_2個体の生育ステージの変異が広く,同じ生育ステージにおける壊素放出最がえられなかったためと考えた.
- 日本育種学会の論文
- 1991-06-01
著者
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