ピレスロイド剤抵抗性 : kdr 型抵抗性機構の重要性
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概要
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フェンバレレート, パーメスリン, サイパーメスリン, デルタメスリンのような, 光分解に対して安定なピレスロイド系殺虫剤の開発は, ピレスロイド剤の農業用殺虫剤としての利用に道を開いた.ピレスロイド剤は昆虫に対しては強い毒性を示すが, 哺乳類に対しては低毒性である.また, 環境中では速やかに分解されるので, 環境汚染のおそれもまったくない.これらの利点によって, ピレスロイド剤は, 今後, 農業用, 防疫用殺虫剤の中心的な地位を占めるものと考えられている.この理想的殺虫剤の将来に障害となるのは抵抗性の発達である.この総説では, 各種の昆虫におけるピレスロイド剤に対する抵抗性の発達を概説するとともに, 抵抗性の機構として, 神経の低感受性(kdr型)抵抗性が重要であることを指摘し, この機構をもつ抵抗性害虫が慢延した場合, すべてのピレスロイドの使用が困難になることを警告した.
- 1985-02-20