Peking と日本大豆の交雑にみられたダイズシストセンチュウ抵抗性遺伝子(予報)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ダイズシストセンチュウに対する抵抗性のきわめて強い品種Pekingにネマシラズとシロメユタカを相反交雑し,そのF_2集団について抵抗性の分離を観察した。低抗性個体の頻度はPeking×ネマシラズで133/524,Peking×シロメユタカで10/238で,それぞれ1/4と1/16に近く,前者では1因子,後者では2因子に近い劣性遺伝子の関与が推定された。抵抗性と大豆の毛茸色および種皮色との関係をみると,毛茸色には関係なく,種皮色との関係がみられた。Peking×ネマシラズで黒色または褐色の種皮をもつ発色型の抵抗性発現率はきわめて高く,他方黄色を地色とする黄色型での発現率は低いので,これらの発色を支配する種皮色抑制遺伝子Iiと抵抗性との間に相引的な連鎖の存在することが推定される。Peking×シロゴメユタカでも抵抗性の発現率は発色型の方が黄色型より高く,同様の連鎖が推定される。Pekingの有する抵抗性の劣性補足遺伝子rhg_1,rhg_2,rhg_3(CALDWELL et al. 1960)のうちネマシラズとシロメユタカに欠け,かつIiに連鎖する遺伝子を "rhg_1"とすべきであろう。
- 日本育種学会の論文
- 1966-06-25
著者
関連論文
- (55) 大豆品種のシスト線虫抵抗性に関する研究 第1報 抵抗性の遺伝について : 日本育種学会第29回講演会講演要旨 : 一般講演
- ホウレンソウの性の決定と発現 : III. 間性の育種と遺伝(続)
- 〔59〕ホウレンソウにおける性染色体の三染色体的分析 : 日本育種学会第18回講演要旨
- [68]ホウレンソウ間性系統における性比の発現に対する環境の作用について : 日本育種学会第13回講演会講演要旨 : 一般講演要旨
- (6) 大豆育種方法の比較試験 : II. 1962年結果について : 日本育種学会第24回講演会講演要旨 : 一般講演
- (67) 大豆育種の世代促進に関する研究 : II. 世代促進法の確立 : 日本育種学会第27回講演会講演要旨 : 一般講演
- 大豆多収性品種の育成に関する群落生態学的研究 : VII. 大豆の光合成作用の2, 3の特性 (第139回講演会)
- (14) 大豆多収性品種の育成に関する群落生態学的研究 : V. 中晩生品種の多収性解析(1) : 日本育種学会第25回講演会講演要旨 : 一般講演
- (13) 大豆多収性品種の育成に関する群落生態学的研究 : VI. 抜取りおよび剪薬の効果 : 日本育種学会第25回講演会講演要旨 : 一般講演
- (7) 大豆の世代促進に関する研究 : I. 世代促進の方法について : 日本育種学会第23回講演会講演要旨 : 一般講演
- 〔66〕ポリクロス法によるトウモロコシ組合能力の検定 : 日本育種学会第19回講演会講演要旨 : 一般講演
- ホウレンソウの性の決定と発現 : II. 間性の育種と遺伝
- 大豆品種のダイズシストセンチュウ抵抗性に関する研究 : II. 線虫系統の地域差について
- 大豆品種のダイズシストセンチュウ抵抗性に関する研究 : I.抵抗性の品種間差異
- Peking と日本大豆の交雑にみられたダイズシストセンチュウ抵抗性遺伝子(予報)
- 胚移植を施した小麦とライムギの交雑(抄録) : HALL. O. L. : Hybridizaton of Wheat ande Rye after Embryo Transplantation. Hereditas 40 : 453-458, 1954.
- ヒロハノマンテマ(ナデシコ科)の性決定機構について(抄録) : WESTERGAARD, M. : Uder den Mechanismus der Geschlechts bestimmung bei Melandrium album. Naturwiss. 40 : 253-260, 1953.