オオムギの節間伸長期における耐湿性の品種間差異
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概要
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3年間で延べ198品種のオオムギを用い,節間伸長期に17〜24日間の畦間湛水処理を行って耐湿性の品種間差異を検討した。処理の影響は成熟期の稈長,穂長,穂数,稔実歩合および千粒重に見られ,収量は対照区(無処理)に比べて著しく減少した。減収の要因としては,穂数の減少と稔実歩合の低下が大きかった。各形質が湛水処理によって受けた影響の程度を対照区比(処理区/対照区)で表わし,3年間に共通に用いた10品種について分散分析を行ったところ,稈長と稔実歩合は1%水準で,穂長,穂数,千粒重,収量は5%水準で有意な品種間差異が認められた。稔実歩合や稈長の対照区比は耐湿性の判定基準として利用できると考えられたが,稔実歩合については処理効果の小さい試験では必ずしも強品種の選抜には適さない点が,また稈長については稔実歩合に比べて品種間差が小さく,誤差の影響を受けやすい点が問題であると思われた。供試品種中では,ミノリムギ,西海皮17号,赤神力などの耐湿性が強く,外国品種中にもPriorやSwaunechだと比較的強いものがあった。関東地方の六条渦性品種は概して耐湿性が弱かった。
- 日本育種学会の論文
- 1984-03-01
著者
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