イネ雑種集団における穂発芽難個体の選抜法
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概要
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イネ雑種集団を世代促進中に穂発芽性に関して選抜する方法について検討した。そのために,取播き種子の発芽速度による直接選抜法と,間接選抜法として種子の熱処理による発芽障害程度と休眠性との問にみられる形質間相関を利用した選抜法を比較した。F_3からF_5世代まで上記の選抜処理を繰り返した後,F_6集団を本田に栽植し穂発芽性と主要農業形質を調査した。F_5世代まで1粒法で維持した対象集団に比べて,直接法,間接法の集団ともに穂発芽性の集団平均値が小さくなり,両法が穂発芽難個体の選抜に有効であることが示された。また穂発芽性に関する集団選抜に伴い,主要農業形質の平均値と分散に大きな差異はみられなかった。本実験の結果は,イネの雑種集団の世代促進中に穂発芽性に関して集団選抜を実施し,育種効率の向上をはかることが可能であることを示す。
- 日本育種学会の論文
- 1980-12-01