イネ細胞培養での品種間一差に対する還元型窒素源及びショ糖濃度の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
細胞培養が困難な品種「コシヒカリ」「農林1号」を用いて,培地組成の改変がカルスの増殖に与える影響を調べた.コシヒカリ,農林1号を含む3品種の完熟胚から誘郵したカルスを隅々の組成の液体培地に移しカルス増殖率について比較した.還元型窒素源を含む培地ではコシヒカリや農林1号のカルス増殖率は,3%のショ糖を含む培地よりもO.375%のショ糖を含む培地において高くなる傾向を示した0)に対し,他の3品種のカルスの増殖は培地中0)ショ糖濃度に対してその逆の反応を示した.その結果,5品種のカルス増殖率においてみられた品種間差は0.1→75%のショ糖濃度下では狭まった(Fig.ユ.2).還元型窒素源も,また,カルス増殖率の品種間差異に影響を及ぼしており,さらに品種間差を解消するためには,硫酸アンモニウム((NH_4)_2SO_4)をアラニンに置換し,硝酸カリウム(KN0_3)とともに添加することが必要であった.すなわち,01375%のショ糖を含む条件下において,窒素源として20mM KN0_3のみ,20mM KN0_3と2.5mM(NH_4)_2SO_4及び20mMKNO_3と5mMグルタミンを含む培地中では,コシヒカリや農林1号のカルスの増殖率は他の3品種に劣っていたが,窒素源として20mM KN0_3と5mMアラニンを含む培地では他の3品種と同等の増殖を示した(Fig.2).次に,O.375%のショ糖を含む条件でのカルスの増殖に伴う培地中のpHの変動を調べ,日本晴とコシヒカリのカルスで比較した
- 日本育種学会の論文
著者
関連論文
- 第5回国際植物分子生物学会に参加して
- イネ細胞培養での品種間一差に対する還元型窒素源及びショ糖濃度の影響
- 直接培養法によるイネ単離花粉からの植物体再生
- 糖飢餓によるイネ単離花粉の分裂の誘導
- Cuphea leptopoda Hemsl.の休眠打破と育苗方法
- ソルガム花粉を用いた属間交雑による小麦半数体の作出
- インド型イネ単離花粉からの植物体再生