日本における冷夏・暑夏の出現特性に関する解析
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概要
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日本本土における冷夏・暑夏の出現パターンは, 南西諸島の気温変動と対応した約10年程度の時間スケールで変化する. SVD解析による大気海洋結合パターンの抽出と, REOF解析による大気および海洋独自の変動パターンの抽出によりこの現象を解析した. 1977年以降の南西諸島の暑夏の頻発には, 全球規模のSST上昇とそれに伴う亜熱帯高気圧の強化が関連している. 同時期の日本本土における冷夏の頻発にはこれとは別の, 東シベリア付近にブロッキング型循環が持続する変動モードの卓越が関連している. 日本本土における1970年代後半以降の暑夏の頻発にも2つの循環パターンが関与している. 1つは西太平洋の高SSTにより形成される日本付近の局地的な高圧部による暑夏, もう1つは北太平洋高気圧の北西偏により形成される朝鮮半島付近の高圧部による暑夏である.
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1999-04-30
著者
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