全球海洋における淡水量の季節変動について
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概要
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TOPEX/POSEIDON衛星高度計によって観測された1993年〜1996年の海面水位と, 過去100年にわたる船舶観測データから得られる水温と塩分濃度の気候値を用いて, 全海洋における淡水(海水を生成する水)量の季節変動を導き出した. 海洋での淡水量は3月に少なく, 9月に多くなり, その差は水位にして18mm, 質量にして6.2×1015kgであった. これは, 海洋からの蒸発, 海洋への降水, 河川からの流入等の淡水フラツクスから評価した淡水量の季節変動と比較すると, 位相が1か月程度先行し, 振幅はやや大きめであった. 全海洋での淡水量の変動は, 主に陸域雪水量の変動に伴うものと推測される. 南北半球別での淡水量の季節変動は, どちらの半球とも水位にして全振幅20mm程度であった. 半球別の淡水量の変動は, 大気-海洋, 陸域-海洋間の淡水フラツクスによる変動よりも, 海上風応力に対する海水の応答の結果としで表れているものと推測された
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1999-02-28
著者
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