近年における大阪都市圏周辺での気温と大気汚染物質濃度との相関関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
大阪都市圏周辺における気象庁の観測地点15か所と最寄りの大気汚染測定局から抽出した12年間(1981年4月〜1993年3月)の各日平均,日最高,日最低気温の各月平均値(T_<mean>,T_<max>およびT_<min>)および同期間の各月平均大気汚染物質濃度データを用いて,各月毎の3年間の移動平均を求め,相関計算等を行い,気温と大気汚染物質濃度との相関関係を調べた.(1)月別の時系列相関としては,NO_2やNO_xでは5, 6, 9, 12, 2月において増加傾向が大きいという特徴があった.気温では10〜3月の寒候期で増加傾向は顕著であったが,5月では逆に減少傾向が明らかであった.(2)気温と大気汚染物質との相関は5, 6, 9と12月に顕著であった.5月ではNO_xとT_<mean>との負の相関が11地点で有意となり,T_<mean>の増加でNO_x濃度は減少し,高T_<mean>地点ほどNO_x濃度の減少は大きかった.(3)12月においてはNO_2-T_<max>と,NO_xに対するNOの比-(T_<max>-T_<min>)とで次のような特徴があつた.前者は大阪市を取り囲むような地点で有意が多く,NO_2濃度はT_<max>が高くなると高濃度を示した.後者も大阪市とその周辺で有意地点が多く,回帰係数値が大きくなり,NO汚染を示唆していた.いずれの現象も都市化が関係している事を示した.
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1995-12-31
著者
関連論文
- 震度6〜7の直下型地震に直面した神戸市民からの報告
- 阪神・淡路大震災後の地震大火での環境影響への調査検討
- 阪神・淡路大震災以後の阪神間での大気環境問題
- 24p-E-6 Csの励起状態^2P_でのRare-Gas Collision Broadening
- 4a-N-3 Cs原子の励起状態 (6p__-, 7p__-)における磁気共鳴
- 化学工場跡地土壌汚染によるVOC大気汚染の調査
- 体験したJR電車事故と羽越線列車脱線事故との4つの共通点と考察
- 1I1530 梅林農園における土壌溶出金属濃度と梅葉中濃度との関係
- Relation between the Local Averages of NO2 Concentration with TEA Capsule and of Estimated (Tmax-Tmin) from Observatories
- 3E0900 幹線道路沿道でのPM2.5濃度等とカプセルNO2濃度との関係
- 震災災害復興住宅での環境調査と被災者の健康問題
- 風船の飛行調査が示したもの
- 1B1130 幹線道路沿いのPM2.5濃度とPM10濃度と、カプセルNO2濃度との関係
- 1B1115 TEA捕集管を用いたNO2濃度とSPM濃度の同時測定の検討
- TEA捕集管を用いた居住地14地点で一年間測定した二酸化窒素濃度の特徴
- 阪神大震災後4年間でのアンケート調査等による被災市民の健康調査結果
- 1D12 落葉樹葉中の14C濃度と葉中重金属濃度との関係
- 1K11 24年間の地域環境変化における二酸化窒素濃度の高汚染時の季節的考察
- 神戸市東部地域で測定した熱汚染の調査結果と考察
- 阪神大震災1年後の西須磨地域での健康アンケート調査と二酸化窒素汚染の調査との関係について
- 阪神大震災埋立液状化に伴う噴泥現象
- 阪神大震災半年後の二酸化窒素汚染の調査結果と健康アンケートの調査結果との関係
- 近年における大阪都市圏周辺での気温と大気汚染物質濃度との相関関係
- 大気中水蒸気のpHおよび導電率の時間変化について
- コンクリ-トつららの調査・分析と大気汚染からの考察
- 低バックグラウンドβ線スペクトロメーターによる光電子増倍管中の測定 : 放射線
- A Fundamental Study on Industrial Measurements by Means of Backscattered Gamma-Rays (Part 2) : Discrimination of Liquid Level Using Broadened Beams
- 神戸市東部大気環境測定局7局での高NOX時の原因究明とデータ処理問題
- 安全環境問題の今後の対応 -阪神大震災の教訓をどう生かすか-
- 年末年始における幹線道路周辺でのNO_2濃度の調査結果とその特徴