青森県八戸におけるヤマセと海風の気温・湿度の差異とその季節変化
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概要
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青森県八戸におけるヤマセと海風の気温・湿度の差異を旬ごとの統計値で明らかにした.15時の気温はヤマセの方が低く,海風と標準偏差1σの範囲でほほ分離できた.ヤマセは気温の標準偏差が比較的小さいのに対して海風は大きい.また海風の気温は7月中旬と下旬の間に不連続的に変化する.これは,ヤマセが海からの熱の供給により変質するため海水面温度(SST)の特性を反映しているのに対して,海風はその時の支配気団の影響を受けるためであると考えられる.相対湿度は海風が約50〜70%,ヤマセが約70〜90%であった.混合比は両者の差が小さく,9月上旬以降ではヤマセの方が大きい値を示していた.これは,この時期になると海風が大陸起源の乾燥した気団の影響を受けるようになるのに対して,海上を長距離にわたって吹走するヤマセの方が水蒸気を多く含むようになることが原因として考えられる.
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1993-10-31