主働遺伝子に支配される量的形質のダイアレル分析
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概要
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ある量的形質に関与する主働遺伝子がいくつかあるとき,その効果と相互作用をダイアレル交配により分析する方法を検討した。それら主働遺伝子中のどれか1個だけを持つ系統に原系統を加えてダイアレル交配した場合につき,まずHAYMAN(1954)の(V_γ,W_γ)図による分析法を調べた結果,つぎの難点が生じることが判った。(1)W_γ-V_γが一定でなく,(V_γ,W_γ)図からのエピスタシス検定は不可能である。(2)H_1Dまたは回帰直線のW_γ切片から求めた平均優性度帽大きな偏りを生じる。(3)回帰直線上の点(V_γ,W_γ)の位置は親の優性遺伝子の数だけでなく,遺伝子の優性効果の差に大きく左右される。いっぽう,主働遺侯子の場合には相加×相加エピスタシス効果をF_1代データだけから検出できることを示した。さらに,ダイアレル表の各交配組合せにつき後代をつくり,各種の集団平均値や2遺伝子座につき可能な9遺伝子型の値から3種の一次エピスタシス効果を求める方法を示した。主働遺伝子のすべての組合せ対につきエピスタシス効果が求められたとき,統計遺伝学上の新しい概念として,エピスタシス効果を平均エピスタシス効果,一般エピスタシス効果,特殊エピスタシス効果に分割できることを提示した。
- 日本育種学会の論文
- 1978-12-01
著者
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