イネの穂の分化・発育とガンマー線の効果
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概要
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イネの幼穂形成の各時期にガンマー線を照射し、照射当代の不稔や穂における各器官の発育障害、ならびに照射翌代の葉緑突然変異頻度および分離比の違いから、穂における各器官の分化・発育の過程を解析することを目的とした。水稲「全南風」をポット栽培し、ガンマー圃場で生育時期別に5KR(20時間)を照射し、主稈および最下位にある2分けつをプールして調査した。また各照射時に幼穂を固定し、顕微鏡標本を作製して分化・発育を観察した。照射当代の穂の発育障害を収穫後の穂長、1穏当りの1次枝梗数、1次枝梗当りの2次枝梗数および小穂数、不稔歩合などを対象として調査した結果、穂における諸器官の分化・発育過程にはそれぞれの始原体が顕微鏡下で識別される以前に、放射線感受性の高い特異的な時期が存在することが認められた。照射翌代の穂別葉緑突然変異頻度ならびに分離比と照射時期との関係から、将来穂の配偶子形成に関与する始原細胞は幼穂形成初期に生長点の伸長に伴ってその数を増加し、1次枝梗始原体の分化中期から小穂始原体の分化初期にかけて、雌雄両生殖始原細胞に分化することが推定された。
- 日本育種学会の論文
- 1970-10-31
著者
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