オーチャードグラスにみられる刈取り様式と品種との相互作用
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概要
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この研究は、世界各地から導入したオーチャードグラス品種を、1965年から1969年まで、3次にわたって、(1)乾草型利用として、出穂期に1番草を刈取り、8月下旬にaftemathを刈取る、いわゆる年2回刈りと、(2)放牧型利用として、出穂期とは無関係に一定の草量に達したときに刈取る、年4回刈りの2つの刈取り様式のもと'で、乾物収量の比較を行ない、分散分析によって、刈取り様式と品種との相互作用の大きさを評価したものである。分散分析の結果は、第2表に示したが、刈取り様式と品種との相互作用は、第2試験の1967年をのぞいて、いずれも、きわめて有意義であった。いずれの刈取り様式のもとでも高収を示す品種として、キタミドリ、那系5号、逆に、いずれの刈取り区でも低収の品種としてS26、S143、Chinook、Bumper、一方、2回刈り区で高収の品種としてLatar、Pennlate、Tammisto、また4回刈り区で比較的収量の高い品種としてS345などをあげることができる。つぎ'に、2回刈り区と4回刈り区の間の乾物収量の相関係数は第3表に示したが、試験期間中の合計収量でみると、第1〜第3試験で、それぞれ+0.309、+0.298、+0.494となっており、2回刈り区収量から4回刈り区収量を推定することは困難と思われる。オーチャードグラスは多目的に利用される草種で、乾草あるいはサイレージ用としてのみならず、放牧地にも利用されるが、本研究の結果、系統あるいは品種の収量は、少なくともそれぞれの利用様式に類似した刈取り頻度のもとで検定しなければならないことが明らかとなった。
- 日本育種学会の論文
- 1970-08-31
著者
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