水稲品種の競争力に及ぼす密度、肥料および光の影響
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概要
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競争力が密度、肥料および光の影響を受けることは、すでに山田(1955)、酒井(1961),岡(1960)および、Edwardsら(1963)によってそれぞれ報告されている。この実験は、これら環境の組合せ効果および競争力と環境との交互作用の存在を知るためにおこなわれた。競争力に強い水稲品種北陸52号と弱いヤマコガネを密度(3水準)、肥料(3水準)および光(2水準)の環境下で単植および混植をおこなった。実験計画は分割区試験法によった。競争力は1株穂重について混植区の値から単植区のそれを差引いて求められた。分散分析の結果、肥料および品種は有意な差を示し、競争力と環境との交互作用はいづれも有意ではなかった。とくに興味あることは、無肥料(無窒素)の自然に近い条件では、競争力に強い品種は他の品種を抑圧することよりはむしろ自己の適応値を高める方向に競争が働く、一方、肥料を与えた場合、つまり栽培条件下では競争力に強い品種は弱い品種を強く抑圧する型をとる。さらに相対的な競争力は環境の影響を受けることなく、逆転する場合はみられなかった。
- 日本育種学会の論文
- 1968-08-30
著者
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