水稲品種混合による生育特性に関する競争力の時期別変化
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概要
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競争力と単植区の収量とは負の相関を示す(秋浜、1967)。競争は栄養成長が旺盛で粗放な栽培条件への適応現象とみられる。そこで集団育種では競争による集団中の優勢個体を除去することによって多収性個体を残すことが考えられる。この実験は競争に強い水稲品種北陸52号と弱い品種ヤマコガネを多肥密植条件で混合栽培して、生育特性の茎数、青葉数、葉面積および乾物重から推定される競争力の時期別変化を調べた。競争力は混植区の値から単植区のそれを差引いて求められた。4つの調査形質は競争の影響を受け、北陸52号は+、ヤマコガネは-の競争力を示した。全生育期間を通じて、北陸52号は優位を保った。混合区において茎数、青葉数などは競争による優勢程度の肉眼判別に最適である。栄養生長期における競争による表現型の優勢程度は播種後70〜90日においてもっとも大きい。
- 日本育種学会の論文
- 1968-06-30
著者
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