ダイアレル分析による稲の品種内分化の解析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
稲品種"台中65号"の7つの地方系統を用いて、系統間差異の程度と分化の方向を検討した。収最・粒重・桿長・穂長・生育日数について調査を行ない、ダイアレル分析法(JlNKS;1954,HAYMAN 1954,1958)によって解析した。穂長以外の形質では、系統間の遺伝的変異が認められた。これらの変異は相加的であって、エピスタシスが認められたのは粒重だけであった。収量と穂数では、核と細胞質の交互作用が系統間変異を拡大することが想像された。収量と粒重では、優性遺伝子の作用が、ほぼ一定方向であった。これらの形質では、原品種が比較的多く劣性遺伝子を持っていたと推察された。また、日本での栽培期間の長い系統ほど優性遺伝子を多く持っていた。これらのことから、分化は優性遺伝子を集積する方向にあったと推察された。桿長では優性遺伝子の作用は一定方向でなく、分化の方向も任意であった。生育日数では、一つの系統をのぞいて系統間に差がなかった。
- 1967-09-25
著者
関連論文
- (12) ダイアレル分析による品種内変異の解析 : 日本育種学会第27回講演会講演要旨 : 一般講演
- (17) 稲品種の品種内変異 : 台中65号の場合 : 日本育種学会第26回講演会講演要旨 : 一般講演
- 〔14〕水稲の各種量的形質の環境変動と必要調査個体数の推定 : 日本育種学会第19回講演会講演要旨 : 一般講演
- ダイアレル分析による稲の品種内分化の解析
- (52) 稲品種の品種内変異 : 農林17号, 農林29号 : 日本育種学会第29回講演会講演要旨 : 一般講演