イネ品種レイホウに病原性のいもち病菌系に対するイネ品種の抵抗性の遺伝と新遺伝子の同定
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概要
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いもち病抵抗性遺伝子 Pi-ta2 を持つイネ品種レイホウは,病原性を持ついもち病菌の出現により罹病化した.レイホウの罹病化の原因と推定されるレース102に属する菌糸に対して不安定な中度抵抗性を示す品種が,新2号型と愛知旭型品種中にあった、そこでレース102に属する菌糸九77-07Aを用いて,その抵抗性の遺伝様式を検討し,以下の知見を得た.種々の交雑組合せでF_2,F_3における遺伝様式を調べた結果,新2号,農林22号および日本晴は菌糸九77-07Aに対して優性の抵抗性逃伝子を1対持っていた.この遺伝子は,既知の抵抗性遺伝子座のうちPi-a,Pi-i,Pi-k,Pi-ta,Pi-z,Pi-bとは独立で,Pi-tと連鎖関係にあり,未記載の新遺伝子であることが判明した.そこで,これをPi-shと命名した.なお本遺伝子はクサブエ,フクニシキ,Pi No.4,BL 1なとの品種中にも存在した.Pi-sh遺伝子はレース102に属する他の2菌系にも低抗性を示した.以上から,新2号の九77-07Aに対する中度抵抗性はPi-ksによるものでなたく,Pi-shによるものであった.またPi No.4とレイホウの九77-07Aに対する反応の違いは,Pi No.4がPi-t2とPi-shを持つのに対し,レイホウはPi-ta2のみを持つということで説明できた.
- 日本育種学会の論文
- 1985-09-01
著者
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