カンショの収量や収量関係形質の年次間相関
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概要
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カンショ育種試験における収量試験の精度を調べるために,収量や収量関係形質の約20年間にわたる年次間相関をデータベース化した育種試験成績から計算した.相関は実生二年目と三年目,三年目と四年目,四年目と五年目,五年目と六年目の収量試験間の共通供試品種について計算した.実生二年目と三年目の間の相関の値は約20年間の平均で,いも収量が0.29,切干歩合が0,58,圃場判定(収量,外観などを総合的に観察した判定)が0.15であり,いも収量と圃場判定の相関の値が小さかった.三年目と四年目の間の相関の平均はいも収量が0.49,切干歩合が0.68,いもの大きさが0.48,一株いも数がO.48,圃場判定が0.35であり,五年目と六年目の相関の平均(標準栽培)はいも収最が0.72,切干歩合がO.84,いもの大きさがO.65,一株いも数が0.67,つる重が0.62,圃場判定が0,30,ネグサレセンチュウ抵抗性が0.91,ネコブセンチュウ抵抗性が0.85等であった.これらの結果から一般的には初期の試験間よりも後期の試験間で相関の値が高く,初期の選抜では収量よりも切干歩合やセンチュウ抵抗性について選抜をするほうが良いことがわかった.
- 日本育種学会の論文
- 1985-06-01
著者
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