小豆における種生態学的研究 : (草型による生態型の決定)
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概要
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小豆は古い作物ではあるが地理的分布が狭く品種数も比較的少ない。又在来種が土着していて自然分布の乱れも少たく,生態型が見分けやすいので作物の種生態学的研究によい材料であると思われる。ここでは草型により生態型を決定し品種の分類を試みた。草型を草型構成要素一直立・分枝性,茎太さの変遷,茎基部の幅,最長分枝長一に分析し,それらに階級値を与え相乗積を求め草型を数量的に概観した。草型の基本をなす分枝性により類別すると第1群:直立性,第2群:分枝性中,第3群:分枝性大,第4群:分枝性最大となる。各群は気象的に類似した地域に分布しているので,分布地域により生態型を分けると,第1群:A型,日本列島型,第2群:B型,暖地夏型,第3群:C型,大陸型,第4群:D型,暖地秋型とたる。更に草型,分布地域気象の共通性から細分LてA1型:北海道型,A2型:東北・裏日本型,B1型:日本西南暖地夏型,B2型:東海関東夏叉は中間型,C1型:満州・北支・朝鮮型,'C2型大陸中・南部の秋型と推定,同じく同地方にB!型類似の暖地夏型原型を推定,D1型:日本西南暖地秋型,D2型:山陽近畿秋型とした。草型の変異等により小豆品種の分化,成立に関し一応の種生態学的考察を加えた。
- 日本育種学会の論文
- 1963-09-23
著者
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