玉葱の育種に関する研究 : 第2報自然交雑集団における倒伏期についての選抜の効果

概要

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(1)玉葱で倒伏期について選抜し,早生系統(E),晩生系統(L),任意選抜系統(R)の3系統を分けた。早,晩生系統は早生及び晩生の方からそれぞれ5%の個体の含まれる個体群から任意に選んだ個体間の人工交配により,また任意選抜系統は全体から任意に選んだ個体間の人工交配によって得られた。(2)3系統を倒伏期,茎長,茎径,球型指数について比較したところ,各形質ともE系統とL系統の間には有意差が認められ,またR系統はE,L系統の平均値にほぼ一致した。(3)前報で報告したheritability及び遺伝相関から選抜形質にあらわれる選抜効果(direct response)及び遺伝相関のある形質にあらわれる影響(correlated response)の推定値を求めた。推定値はI.M.LERNERの方法に従った。(4)この結果,推定値の方が実験値より高い場合もあり,また低い場合も認められたが,ほぼ推定は可能の様である。(5)また倒伏期について選抜を行なうと倒伏期自身に偏りを生ずる以外に球型指数に欠きた偏りを生ずることが知られた。即ち早生の選抜は偏平球に,晩生の選抜は甲高球になることはさけられない様である
日本育種学会の論文
1962-03-25