倍加半数体イネ品種「白雪姫」の形質安定性
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概要
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葯培養によって育成された品種と従来法による品種が理論的に提唱されているように等しく扱いうるものかどうかを確かめるため,イネ(Oryza sativa L.)の葯培養由来の倍加半数体品種「白雪姫」と,従来法による3品種「コシヒカリ」,「日本晴」,「ハツシモ」の形質安定性を比較した.出穂期,稈長,穂長,穂数について,世代を追って10年間調査を行った.出穂始から出穂揃までの日数については,倍加半数体品種と従来品種との間に差異は認められなかった.変動係数(CV)からみた稈長と穂長の安定性にもとくに有意差は認められなかった.稈長の変動係数についても,年次間及び品種間で有意差が認められなかったことから,稈長の高い安定性が示された.穂数の変動係数では,年次間,品種間及び作期において有意差が認められたものの,倍加半数体品種と従来品種との間には,両作期ともに有意差は認められなかった.したがって,「白雪姫」の変動係数は従来品種よりも高くないことが示された.これらの結果は,倍加半数体品種の形質安定性は従来品種とは異ならないことを示すものであり,葯培養法は従来の育種法を十分に補完しうる技術であることが示唆された.
- 日本育種学会の論文
- 2002-03-01
著者
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