2次元雲解像大気海洋結合モデルでシミュレートされた海洋混合層の温度と塩分濃度に対する降水の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
2次元の雲解像大気モデルと、1次元または2次元の海洋モデルを結合した大気海洋結合モデルによる実験を行い、降水により引き起こされる海洋の小スケールの擾乱が、海洋混合層の熱と塩分の収支に及ぼす影響を調べた。結合モデルの雲解像大気モデルには、TOGA COAREの期間の7日間の観測から求めた、大規模鉛直流による強制を与えた。1次元及び2次元の海洋モデルによる結合モデル実験で、水平平均の混合層の塩分濃度と温度の差は、それぞれ0.3PSU及び0.4°Cとなった。2次元海洋モデルと結合した実験では、対流域では淡水フラックスにより混合層が浅くなるが、非対流流域では、夜間に熱フラックスによる冷却により混合層が深くなる。一方、1次元海洋モデルと結合した実験では、持続的な降水により浅い混合層が維持される。このような混合層の深さの違いのため、塩分のエントレインメント率、冷却率に差ができて、塩分濃度や温度の違いがもたらされる。強い対流性の降水は、弱い降水域または晴天域に囲まれた狭い領域で起こる。一方、熱フラックスの日変化は、空間的に高い相関をもって起きている。このため、海面の淡水フラックスは、熱フラックスよりも大きな空間変動を示す。その結果、海洋混合層の密度変化に対して、塩分濃度の変動が、温度の変動より大きく貢献する。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 2000-10-25
著者
-
Li Xiaofan
Nasaゴダード宇宙航空センター
-
Sui C.-H.
NASAゴダード宇宙航空センター
-
Lau J.-M.
NASAゴダード宇宙航空センター
-
Adamec D.
NASAゴダード宇宙航空センター
-
Sui C.H.
NASAゴダード宇宙航空センター
-
Lau K.-M.
NASAゴダード宇宙航空センター