インド域の循環パターンによるエルニーニョ期間中の赤道東太平洋Nino 3領域の海面水温ピーク値のアセスメントについて
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概要
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本研究は、インドにおける4月の循環偏差と東太平洋Nino 3領域の海面水温偏差の関係を調べたものである。インド北部の降水量および東経75゜における500hPaの気圧の峰の位置の2つのパラメータは、それぞれ引き続く東太平洋Nino 3領域での海面水温偏差と有意な相関を持つことが見出された。さらに、この関係はエルニーニョ年により強い。エルニーニョ年には昇温のピークが10〜12月に起こるので、既存の力学モデルによってエルニーニョの発生が予測されたなら、これら2つのパラメータを用いて半年先の海面水温のピーク値を予測することができる。過去11回のエルニーニョ年、すなわち、1951、1953、1957、1965、1969、1972、1976、1982、1987、1992、1997年の4月の雨と500hPaの気圧の峰の位置のデータに主成分分析を施し、その第1成分との回帰関係を用いて10〜12月平均の海面水温偏差をクロスバリデーション法によって予測してみたところ、3月平均海面水温偏差の11サンプル間の標準偏差が0.96℃であったのに対し、予測の根二乗平均誤差は0.52℃で、よい成績であった。
- 2000-06-25