1994年6月の東アジア夏季モンスーンの進行 : 数値実験

概要

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1994年6月のアジア夏季モンスーンの進行をPenn State/NCAR MM5に基づく地域気候モデルでシミュレートした。NCEP解析値を初期条件、側面境界条件として使用し、1ヶ月間積分した。モデルは1994年6月のモンスーン循環と全降水量の月平均気候値の再現に成功している。夏季モンスーン進行中の大規模場の変化、すなわち、(1)チベット高原上の上部対流圏偏西風の北上と高原南方の偏東風の発達、(2)南シナ海からの中国東部への下層南西モンスーン流の拡がりと降水帯の南から北へのジャンプ、(3)対流圏中層500hPaの西部太平洋亜熱帯高気圧の北上および上部対流圏200hPaでのチベット高気圧の確立、がよくシミュレートされている。モンスーン進行に対する対流性加熱の影響を調べるために、対流圏加熱のない実験を行った。その結果、対流性加熱は、(a)下層南西モンスーンの発達、(b)チベット高原上の偏西風の北上、(c)西部太平洋亜熱帯高気圧の位置と強度、に重要であることが示された。
社団法人日本気象学会の論文
1998-10-25