カナダ北極域で観測された二酸化炭素の高濃度アノマリーのシミュレーション
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概要
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3次元リージョナル大気力学モデルを用いて、ユーラシア大陸からのCO_2の長距離輸送とカナダ北極域で観測されたCO_2の高濃度アノマリーの関係を定量的に解明することを試みた。本研究のために選んだイベントは、カナダ・エルズミーア島の最北端に位置するアラート基地で1990年12月に観測された5 ppmに及ぶ高濃度アノマリーである。モデルによるシミュレーションの結果は、北ヨーロッパの人間起源のCO_2が1週間以上かけて東部シベリアに輸送され、そこで一旦停滞した後、北極を横切りアラート基地に到達した、ことを示した。また、CO_2の起源として北ユーラシアからの工業的放出のみを考えた場合、アラート基地での高度上昇は高々2 ppmであったが、ユーラシアの陸上植物から放出されるCO_2も考慮に入れることによって、残りの3 ppmのほとんどを説明することができた。さらに、北ユーラシアに起源を持つCO_2は、対流圏最下部を通してアラート基地まで輸送されることが分かった。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1996-12-25
著者
-
Cho H‐r
Dept. Of Physics University Of Toronto
-
Cho H.-r.
Department Of Physics University Of Tronto
-
Higuchi K.
Carbon Cycle Research Section
-
Yuen C.W.
Earth System Research
-
Trivett N.B.A.
Atmospheric Environment Service
-
Yuen C.
Carbon Cycle Research Section Air Quality Branch Atmospheric Environment Service
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- The impact of Arctic circulation on trace gas mesurements at Alert, Canada (scientific paper)