正の加熱だけを課したWave-CISKの東西スケールの選択について
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概要
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正の加熱だけを用いた場合のwave-CISKを全球スペクトルモデルを用いて調べた。ある特定の初期条件から計算した場合、上昇領域が1ヵ所だけの東進する波数1の不安定モードが得られた。しかし、一般的な初期条件から始めた場合は、ほぼ同じ振幅を持ち、赤道上で東西方向にほほ等間隔に分布する複数の対流モードが現れる。一つの対流が他の対流に影響し得る距離は成長率に反比例するので、早く成長する対流の影響半径が地球の周長よりもずっと小さい場合に、このような高波数モードが存在し得る。東進する不安定モードのほかに、積雲加熱に対する重力波応答が卓越する流れの構造を持つ西進不安定モードも検出された。これらの結果は、正の加熱だけのwave-CISKは必ずしも波数1の東進モードを選択しないことを示唆する。東西スケールの選択性を持つ新たな機構も提案した。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1994-02-25