移動する熱源に対する球面上の大気の線形応答 : その2:レイリー摩擦とニュートン冷却の依存性について
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概要
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レイリー摩擦(α)とニュートン冷却(c)の減衰係数が異なる値を取るとき、全球に広がる移動熱源によって励起される循環パターンを球面上の線形化された浅水方程式を用いて調べてみた。減衰係数以外にも、Lambパラメータ(惑星の自転の効果を表現するパラメータ)と熱源の移動速度を幅広く変化させて、熱源に対する応答解を求めた。浅水方程式の変数と熱源を球面調和関数で展開して得られた多元一次連立方程式を直接解くことにより応答解を求めることができる。熱源が高速で移動しない限り、求まった循環パターンはcではなくαに強く依存する。十分小さいαとcに対しては高度場のみ経度方向に一様な循環が現れる。さらに、αが十分大きく、cが小さい場合、高度場・発散場ともに経度方向に一様になる。ただし、このパターンは定常熱源に対しては現れない。高速移動熱源に対する応答解はcが十分大きくない限り経度方向一様になる。以上の結果から地球上の大気のようにαがcより極端に大きくも小さくない場合、α=cを仮定することは適当だと考えられる。αがcより相当大きい金星の下部大気にも応用してみた。力学過程の緩和時間(=1/α)が100日より短い場合、夜昼間の直接循環がcの値に関係なく現れると考えられる。
- 1997-08-25
論文 | ランダム
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