領域降雨強度分散推定のための単一および二重しきい値法
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概要
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降雨強度が固定された値(しきい値)を越えた領域の全領域に対する割合から領域降雨強度分布の分散を推定するしきい値法について考察した。領域降雨強度分散は、たとえば降雨の対流性もしくは層状性の区別を示唆する。降雨強度の確率モデルとして、原点における離散確率と正値連続分布との混合型分布を採用した。降雨強度分散と降雨強度がある固定されたしきい値を越える確率との間に成立する二次関係に着目して領域降雨強度分布の分散を推定するための単一および二重しきい値法を提案し、最適しきい値の選択について統計学的な説明を与えた。経験的に決定された単一最適しきい値と対数正規分布、ガンマ分布および逆ガウス型分布に基づく理論的に決定される単一最適しきい値とを比較した。単一しきい値法のための最適しきい値は、GATEIデータによる経験的結果では31mm/hrであり、提案される基準によって得られる対数正規分布、ガンマ分布および逆ガウス型分布の場合の最適しきい値は、それぞれ、42.4, 24.8, 27.4mm/hrであった。単一の最適しきい値を用いる単一しきい値法は領域降雨強度一次および二次モーメントを推定するための最適しきい値の組を用いる場合の二重しきい値法と同程度の有効性をもつことを例示した。二重しきい値法を利用するための最適しきい値の組は複数個あり得るが、実際的な使用にさいしては、領域降雨強度一次および二次モーメントを推定するための最適しきい値の組による二重しきい値法が推奨される。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1993-12-25
著者
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SHORT David
Hydrospheric Atmospheric Research Center, Nagoya University
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Short David
Hydrospheric Atmospheric Res. Center Nagoya Univ.
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清水 邦夫
東京理科大学理学部応用数学教室
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Short David
米国航空宇宙局大気研究室
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Kedem Benjamin
メリーランド大学数学教室・システム研究センター
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清水 邦夫
東京理科大学
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