降雪の酸性度と積雪、融雪過程を通しての変動特性
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概要
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1991年1月1日から3月31日まで札幌市の北西部に位置する北海道大学農学部付属農場で降雪、積雪、融雪過程を通しての酸性度の特徴を調査した。降雪は総観場から季節風及び季節風末期と低気圧に分類した。低気圧による降雪は更に、石狩湾上で発生する小低気圧、北海道の北側、北海道の南側を通過するものに分けられた。これによって降雪をもたらす風系の影響を見ることができる。降雪粒子は、比較的雲粒の付かない雪結晶、雲粒付雪結晶、霰、雨または霙に分類しポリ袋でサンプリングし測定した。積雪の酸性度は、降雪のサンプリング地点付近にトレンチを掘って、全積雪層と各降雪に伴う積雪層をサンプリングすることにより測定した。融雪の酸性度は同じ地点に底にノズルをつけた直径52cmの大型のポリ容器に自然の状態で降雪が積もったものの融雪水をポリ袋に貯めて測定した。これまで1シーズンに1〜2回の積雪のサンプリングで酸性度を議論するケースが多かったが、今回のように、各降雪毎、積雪全層及び各積雪層、さらに融雪を通して細かな変動の特徴を明らかにしたのは、これが最初のケースである。測定の結果、季節風に伴う降雪は比較的低いpHを示した。また、全積雪層の酸性度は融雪期の始まる前まではそれ程変化をしなかった。各積雪層の酸性度は積雪各層の変態に依存していた。融雪水の酸性度は融雪初期に大きく変動することが明らかになった。
- 1995-02-25
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