毒性試験結果の解析に用いられる決定樹の利用に関する一考察 : 我が国のげっ歯類データに基づく考察
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概要
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毒性試験で得られるデータでは, 群間で標本数が異なったり定量値の分布が異なったりする場合がしばしば見受けられる。このような場合でも対照群と用量群との間で定量値の差を速やかに吟味するため, 決定樹による解析手法が一般的に使用されている。我が国では1980年代の初めから毒性試験結果の統計解析に決定樹が用いられるようになり, その後手法に改良が加えられて現在に至っている。群間の有意差の解析手法としてはより検出力の高い手法が近年用いられるようになってきているが, 決定樹における等分散の検定でBartlett (5%水準) が常用されているため, 長終的に検出力の低いnon-parametricの順位和検定が有意差検定に用いられる場合がかなり多く見受けられる。しかし, 等分散の検定にLeveneまたはBrown-Foresytheの等分散検定を用いれば, 順位和検定を選択する機会が少なくなる。また, 順位和検定を避けるために数値変換を行って群間の等分散を確保する方法は, 考察が複雑になる。なお, 群間の有意差検定において群間差の正負が事前に想定できる場合には, 片側検定を使用するのが妥当であろう。
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 2001-05-21
著者
-
大村 実
九州大学大学院医学研究院衛生学
-
井上 博之
食品農医薬品安全性評価セ
-
小林 克己
財団法人食品農医薬品安全性評価センター
-
大村 実
九州大学大学院医学研究院衛生学分野
-
北島 省吾
財団法人食品農医薬品安全性評価センター
-
渡 修明
財団法人食品農医薬品安全性評価センター
-
井上 博之
財団法人食品農医薬品安全性評価センター
-
志賀 敦史
財団法人食品農医薬品安全性評価センター
-
三浦 大作
財団法人食品農医薬品安全性評価センター
-
庄子 明徳
財団法人食品農医薬品安全性評価センター
-
村田 共治
財団法人食品農医薬品安全性評価センター
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