コムギ「農林61号」の収量および諸形質に及ぼす気象条件の影響
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概要
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コムギ品種「農林61号」の北部九州平担地帯における28カ年の試験データを用いて,コムギの諸形質および収量性に及ぼす気象条件の影響について解析した。1.収量と諸形質との関係は干粒重が最も強く,次いで穂数,稈長などの順であった。2.収量は登熟期の日照および降水量に左右され,多照で雨が少ない年ほど多収であった。3.千粒重は登熟期の日照の影響を強く受け,多照ほど重くなったが,降水量との関係は認められなかった。降水量は登熟歩合に影響すると推定された。4.穂数は分けつ期の降水量の影響を受け,雨が多い年ほど減少する傾向が認められた。また分けつ期〜節間伸長期前半の気温が高いと減少しやすかった。もっとも高温が必ずしも穂数の減少につながるわけではない。5.稈長と収量との間に非常に高い相関が認められ,長稈の年ほど多収であった。これは長稈が直接増収に寄与したわけではなく,生育が旺盛で同化生産物が多いことが長稈となり,また増収ともなったものと考えられた。
- 日本作物学会の論文
- 1981-12-10
著者
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