中干し程度の違いがコシヒカリの生育・収量に及ぼす影響
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概要
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水稲品種コシヒカリを供試して,3つの異なる程度の中干しを実施し,それがコシヒカリの生育収量に及ぼす影響について検討した。1.作土中の含水比は中干し無区で処理期間中60%前後であったが,中干し中区及び強区は20日目以降大きく低下し始め40日目にはそれぞれ39%,32%となった。2.作土中の無機態窒素は,いずれの区も処理開始後急速に低下したが,その程度は中干し無区は他の2区に比べ緩慢であり,中干し強区及び中区は処理10日目以降は低レベルであった。3.稲体の窒素吸収量は中干し程度が強くなるほど少なくなり,処理日数が経過するにつれて,その差が次第に広がっていった。4.中干し強区はm^2当穂数,1穂籾数の減少で収量が最も低く,一方中干し無区は最も収量が高かった。これは中干し強区が,生殖生長期において土壌中の無機態窒素が少なくまた強度の水分ストレスがあったためと思われる。
- 1992-12-21
著者
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灘口 一彦
福岡県筑上農業改良普及所 福岡県農業総合試験場豊前分場
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小田原 孝治
福岡県筑上農業改良普及所 福岡県農業総合試験場豊前分場
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松江 勇次
福岡県筑上農業改良普及所 福岡県農業総合試験場豊前分場