福岡県における水稲移植栽培の増収要因解明に関する研究 : 第1報 は種期,栽植密度ならびに窒素の施肥位置と施肥量に関する研究
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概要
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県下における増収栽培技術の確立をはかるために,二日市(木場)と筑後(分場)の2ヵ所で,L81直交表を利用した多要因試験法により試験を実施した。本年は特異な気象で水稲の生育もかなり異なったものとなったが,各栽培条件の効果は次のとおりである。1.各栽培条件が水稲の収量に与える影響は2場所間で異なり,地域性が強く見られた。2.早まきは,二日市においては,秋落的傾向が助長され,減収の傾向を示すが,筑後においては増収が期待される。またおそまきは登熟歩合が低下し易く,収量性が不安定である。3.密植ほどm^2当り穂数は増加するが,m^2当り総粒数には一定の傾向が見られない。収量については2場所間でやや異なった傾向を示すが,いずれも効果が少なく,二日市においては,18株,25株植に比べて32株植がやや減収の傾向を示す。4.深層施肥は肥効が高く,二日市においては早まき,標準まきにおいて,筑後は密植条件で増収効果が高い。5.前期施肥量は,二日市においては,標準まきで,多肥の効果がみられたが,筑後では,いかなる栽培条件でも多肥ほど多収を示す。6.後期施肥量の効果は小さく,二日市においては多肥,穂ぞろい期追肥において増収したが,筑後においては,表層施肥のみ増肥の効果がみられた。7.最適栽培条件は,二日市では,5月21日まき(6月25日植),25株植、分けつ初期・穂首分化期深層施肥,前期施肥量多肥,後期施肥量多肥であるが,筑後では,は種期,栽植密度は5月4日まき(6月15日植),3乏株植えで,後期施肥は穂ぞろい期追肥が良く,他の条件については二日市と同様である。
- 日本作物学会の論文
- 1966-06-20
著者
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