加賀ひかりの熟期促進に関する研究 : 第 4 報 生育調節剤 (BAS-106) による健苗育成が熟期に及ぼす影響
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概要
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成熟期を早める手段として, ここでは葉令の進んだ健苗を育成するため, 生育調節剤BAS-106の処理効果を播種量を変えて検討した。その結果, 葉令に対してはBAS-106の効果は少なく播種量による差がみられた。草丈に対する伸長抑制効果は播種量で異なり, 薄播ほど抑制効果は高く, またBAS-106の処理方法として浸漬処理に加えて2葉期に葉面散布することで抑制効果は高まった。これを部位別にみると100g播では第1〜第3葉鞘長, 第1〜第4葉身長の伸長抑制がみられたのに対し, 180g播では第1・第2葉鞘長, 第1葉身長の抑制にとどまった。本田活着時の生育では, BAS-106の処理によって乾物重は高まる傾向にあるが播種量による差がより大きく示された。出穂期・成熟期はBAS-106の処理間では差が小さく, 播種量による差が大きかった。成熟期は稚苗に比べ100g播は4日早まったのに対し, 180g播は2日であった。収量においてもBAS-106の処理間差はなく, 播種量による差がみられ, 100g播が稚苗より高収を得たのに対し180g播は稚苗並であった。100g播が収量増となったのは初期生育が良く, 良質茎の確保が容易であったものと考えられる。BAS-106の効果は通常の温度管理でしかも播種量が多い場合には期待しがたく, いわゆる中苗の育苗で活用できるものと思われる。
- 日本作物学会の論文
- 1984-03-31
著者
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