速度論的方法による水稲生育期間中の土壌窒素無機化量の推定
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概要
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水田土壌の地力窒素の発現様式と地温との関係を把握し,地温データから土壌窒素無機化量を予測するために,最近開発された速度論的方法による土壌窒素無機化量の予測法の適用可能性を検討した。土壌窒素無機化量を速度論的に予測するためには,無機化モデルを決定し,3つのパラメータを求める必要があるが,これらについてはすでに報告した。本報では,稲を栽培した水田土壌における窒素無機化量を速度論的に推定し,推定値が実測値(実際の圃場における土壌窒素供給量)と合うか否かの比較を行った。1)農総試内より,厩肥等を施用して地力増強を行っている水田およびそれに比べ肥沃度の劣る水田の2個所(中粗粒灰色低地土)を選定し,窒素無施与条件下で水稲を栽培し,水稲生育期間中の地温,土壌中の無機態窒素の推移および水稲窒素吸収量の推移を調べた。2)圃場における水稲生育時期別の土壌窒素供給量(無窒素区の水稲窒素吸収量+土壌中のアンモニア態窒素量)を計算した。3)毎日の地温データと活性化エネルギーとを用いて,25℃変換日数を求めた。そして,前報で報告した窒素無機化の単純型モデル式と易分解性窒素量,無機化の速度定数および25℃変換日数とを用いて,水稲生育期間中における土壌窒素無機化量の推定曲線を得た。4)速度論的方法による圃場の推定窒素無機化曲線と実測された土壌窒素供給量とは,かなりよく一致した。5)水稲生育期間中に無機化する窒素量の52〜55%が最高分げつ期(7月25日)までに無機化し,また穂揃期(9月5日)までに約90%が無機化すると推定された。
- 1986-10-05
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