水稲の耐冷性関連形質としての葯長, 葯幅および充実花粉数に及ぼす施肥窒素の影響
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概要
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通常の気象条件下において,窒素施肥条件の異なる圃場で栽培したイネの葯長,葯幅および充実花粉数を比較した.基肥窒素量を1m^2当たり0,4,7,10,13gとした圃場で栽培したイネの場合,基肥窒素量が多くなるほど葯長,葯幅は短くなり,充実花粉数は減少した.また,基肥窒素量を1m^2当たり4gまたは10g施用し,穂首分化期,幼穂形成期,減数分裂期に1m^2当たり3g窒素追肥したイネと無追肥のイネの場合,基肥窒素量が1m^2当たり4gのときは,無追肥に比較して幼穂形成期の追肥で葯長,葯幅が短くなり,充実花粉数も減少した.基肥窒素量が10gの場合も同様の傾向がみられたが,追肥時期の違いによる差は基肥窒素量が4gの場合よりも小さかった.これらのことから,イネの葯長,葯幅および充実花粉数には窒素施肥が大きな影響をおよぼしており,低温の影響を受けていない年でも,基肥窒素を多く施用した場合や幼穂形成期頃の追肥は,葯長や葯幅を短く,充実花粉数を減少させる.また,追肥時期の影響は基肥量の多少によって異なった.
- 日本作物学会の論文
- 1999-06-05
著者
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